魚
水の中にいるみたい
雨上がりの午後
溺れそうな湿度
むせ返る程の熱気
未だに濡れたままの自転車
漕ぎ方を忘れてしまいそう
気付けばずっと此処に居るね
服の中で
汗があばらをなぞる
もつれる産毛
伝う 垂れる
どしゃ降りの中で
君が待っているのに
部屋の中で雨の壁を見ている
今日も自転車は濡れるだけ
膿んだ目を閉じる
くだらない悪夢が誘う
ごめん 会うのはもう少し先
待っていて
忘れないように
ずっと名前を呼んでいて
飲んでも飲んでも
ここは水中
ごぼり 泡を吐いた
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