憧憬


こびりついた執着が笑う
心臓に冷えた手で触れるから
やめろよおかしくなりそうだ

君が要らないといったものを身につけていた
それだけで世界を手に入れたと思えたんだよ
輝いてるって思えたんだよ

歪んだ小指すら拒絶の色で
生ぬるさだけがややこしい
中途半端に揺れるなら
最初から居なければ良かった

直視なんか出来ないよ
知りたくなんか無いんだって
このまんまでいいよ
簡単になんかしないでよ

これ以上になりたくないくせに
本当を望む
明確な答えなんかじゃなくていいから
漠然とした応答を求めてる

とかいっといて
ほんとはさ
君の声が聞こえないくらい
遠くへ行きたかったんだ
(けれど僕はそんな場所を知らない)