断切


知っているか
小指には運命の糸なんてついていない

知っているか
それでも僕らは
出会うべくして出会った

だからって
運命なんて認めない

だってそんなの
酷すぎるじゃないか

雑草で傷ついた指から
雑菌が
血管をめぐった気がした
蔓延する咆哮に
一体誰が涙を流せただろう

知っているか
スプーンを舐めればもう戻れないって事を
甘すぎるジャムに酔ったって
此処が変わる訳じゃない

それでも信じてよ
契った小指に
意味は無いって

約束は未定
いつか鋏を用意する
断ち切るんだ そう
ゆっくりおだやかに
けれど
おまえが泣く暇なんてない迅速さで
確かに

知っているか
世界は何処までも残酷で
おまえだけが美しい